浄土宗と浄土真宗の違いは?それぞれの特徴をご紹介します

浄土宗と浄土真宗の違いは?それぞれの特徴をご紹介します

普段生活している中では宗教や宗派の違いについてあまり意識することはありませんが、「お墓」や「お葬式」といったことを考え始めると、多くの疑問が浮かんでくることでしょう。
中でも多くの方が疑問に思うのが、「浄土宗」と「浄土真宗」の違いについてです。
今回は、両者の違いやそれぞれの特徴について解説します。

⑴ 浄土宗と浄土真宗の違いは?

これらの2つの宗派、はそれぞれ日本の仏教の中でも特に有名なものです。
特に浄土真宗は、日本で最も信仰者が多い宗派として有名です。

浄土宗と浄土真宗の基本的な部分における違いとしては、例えば以下の3つが挙げられます。

・開祖
・時代
・本山

開祖は、前者が法然であるのに対して、後者は親鸞です。
時代は前者が平安時代末期で、後者は鎌倉時代です。
本山は前者が知恩院で、後者が本願寺です。

ちなみに、本尊は両者ともに阿弥陀如来で共通です。

また、浄土宗は七大本山が全国に存在しており、知恩院以外にも増上寺、清浄華院、光明寺などが存在します。

⑵ 2つの宗派の特徴

ここでは、2つの宗派の共通点や特徴について解説します。

*共通点

親鸞は法然の弟子で、「専修念仏」という考えを学んだことから、両者の基本的な考え方は同じです。
両者はともに、「南無阿弥陀仏」を唱えることで誰でも極楽浄土に往生できる、という教義があります。

① 浄土宗(寺院数 6,913 信者数 602万人)

修行による成仏は否定し、修行の価値を認めない。念仏を唱えることは行として勧める。唱えることで極楽往生する。念仏を唱えることを重視。成仏と往生は区別して考える。極楽往生の後、極楽浄土で修行し成仏すると考える。教典は浄土三部経のうち観無量寿経に重きを置く。本尊は阿弥陀様。向かって右に観音様、左に勢至菩薩を祀るのが基本(弥陀三尊の形式)。

こちらの宗派では、「南無阿弥陀仏」と唱えれば誰でも死後に浄土で仏になれると説く「自力念仏」という考えが大切にされています。
「浄土」とは、汚れや煩悩を離れた清浄な仏や菩薩がいる場所を意味しています。

また、どんな生き物も殺さない「不殺生」や、性的関係を持たない「不邪淫戒」といった内容を含んだ五戒があります。
浄土宗では、これらを守る必要があります。

② 浄土真宗(寺院数 西本願寺 10,196 東本願寺 8,540 信者数 2,000万人)

人が求めなくとも仏が救って下さるという考え(他力回向の理論)。いずれ仏になることが約束されているから、改めて修行する必要はない。「阿弥陀様が救って下さる」と信じることで往生できる。それ以降は感謝の行ないとして念仏を唱える。教典は浄土三部経のうち無量寿経に重きを置く。本尊は阿弥陀様。理論的には「南無阿弥陀仏」という言葉(名号)。

浄土真宗では弥陀三尊の形式はとらない。救い主は阿弥陀様のみ。阿弥陀様が人の苦悩をじっとして見ていられない事を表わすため坐像ではなく立像。他力は阿弥陀様の力を指す。

浄土真宗では、阿弥陀如来の慈悲は絶対であり、信心をもって「南無阿弥陀仏」と唱えれば、必ず極楽浄土に往生できると説かれています。

また、その中でもさまざまな宗派があり、代表的な10の宗派を「真宗十派」と呼びます。
特に有名なのは西本願寺を本山とする「浄土真宗本願寺派」(お西さん)と、東本願寺を本山とする「真宗大谷派」(お東さん)です。

❖ まとめ

今回は、浄土宗と浄土真宗の違いや、それぞれの特徴についてご紹介しました。
どちらも名前が似ており、実際に近い部分もありますが、それぞれ明確に異なる宗派です。
これからお墓やお葬式などについて考えるという方は、ぜひ宗派にも注目してみてください。

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